なぜJAXAの幹部は日本初となる月面着陸を成功させたのにその採点は60点と言ったの?

月面

みなさんはご存知でしょうか。日本は、小型実証機「スリム(SLIM)」を使って、世界で5番目に月面着陸を成し遂げたのです。

しかも、その着陸はとても正確で、目標地点からわずか100メートル以内の場所に降り立ったというから驚きです。これまでの月探査機は、数キロ~数十キロもずれて着陸していたので、スリムの技術はすごいですよね。

でも、なんと、この偉業を成し遂げたスリムに対して、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の幹部がつけた点数は「60点」だったんです。えっ?なんで?と思う方も多いでしょう。私も最初はそう思いました。

実は、スリムの目的は、月面着陸だけではありませんでした。スリムは、月の起源を解明するために、月の内部が見える場所に行って、岩石の写真を撮って分析するというミッションも持っていたのです。

そのためには、太陽電池で電力を得て、数日間活動する必要があったのですが、残念ながら、太陽電池が故障してしまったのです。

どうやら、着陸時に機体が傾いてしまったりひっくり返ったりして、太陽電池に太陽光が当たらなくなってしまったようです。

その結果、内蔵バッテリーだけで活動することになりましたが、それでは時間が足りませんでした。岩石の写真は何枚か撮れたようですが、十分なデータが得られなかった可能性が高いです。

そう考えると、「60点」も納得できますね。でも、「60点」でも合格点ですから、スリムは頑張ったと思います。月面着陸自体は素晴らしい快挙ですし、ピンポイント着陸も成功したと言っていいでしょう。スリムは日本の誇りですよね。

ということで60点の答えは「太陽光発電が壊れて十分なデータが得られなかった」です。